偽薬効果実験の信憑性

フィナステリドは、アメリカに本社を置くメルク社と呼ばれる大手製薬会社が開発した抗アンドロゲン薬の一つとして知られています。
抗アンドロゲン薬とは、やや難しい言葉が多くなりますが、男性ホルモンの一部成分をジヒドロテストロンと呼ばれる成分へと変換する酵素である2型5-α還元酵素というものがあります。フィナステリドには、この変換を阻害する仕組みがあることから、元々、低用量で前立腺肥大症に、高容量で前立腺がんに対しての治療薬として使用されてきました。
この中で、医薬品とはその大半に副作用が発生します。その効果、効能とは別に起こる作用のことです。通常は、悪影響を及ぼす副作用が多い中で、このフィナステリドは、副作用として毛髪が生える、毛髪が濃くなるという副作用があり、その後の臨床試験の結果、男性型脱毛症(AGA)の治療薬として認可されたものです。
また、医薬品として認可されていることで前述のように副作用の報告もあります。その副作用の中で一番多いのが、男性機能の低下(性欲の減退や勃起不全等)があります。男性ホルモンに作用する為の弊害と思われていますが、ここで興味深いデータをご紹介しましょう。
プラシーボ効果というのをご存知でしょうか?例えば、胃痛を訴える方に対して、小麦粉の粉末を胃薬ですと言って飲ませてみます。その場合の胃痛が治ってしまうこともあるのです。
フィナステリドも同様に臨床として、有効成分の入っていないプラセボ薬(いわゆる偽薬)を飲ませた場合、本薬と同様の副作用を訴えた方もいたようです。
これは何を意味するかといえば、この副作用に関しては思い込みによるものである可能性が高いと言えることです。あくまで、科学的な確証は得られていませんが、その他重篤な副作用も少ない医薬品であり、この偽薬(プラシボ)による実験の信憑性はやや高いと言えるのではないでしょうか。

実験に使用される偽薬の成分

フィナステリドは、Ⅱ型の5α還元酵素の阻害剤であり、アメリカで開発された前立腺肥大の治療薬です。しかし、臨床実験において頭髪の成長が確認された事により、脱毛症の治療薬としても使用されるようになっています。日本でも2005年に、厚生労働省により承認されています。

フィナステリドは、認可される前に1年間の臨床実験が行われています。この結果、98%の割合でAGAの進行が防止されており、かなり期待できる内容です。AGAは、Ⅱ型の5α還元酵素が、男性ホルモンのテストステロンを変換した事により作られるDHTが原因の症状で、この物質が毛乳頭細胞の受容体と結び付く事により、ヘアサイクルが狂わされてしまいます。

フィナステリドにより、Ⅱ型の5α還元酵素の活性を低下させることで、DHTの生産が抑制される事になります。狂わされていたヘアサイクルが正常な状態に回復するので、頭髪は健全な成長を遂げる事になります。頭皮や頭髪に対しての直接的な作用はありませんが、脱毛の原因物資の生産を防止する事により、薄毛が改善される結果につながります。

この様な効果を確かめるために行われる臨床実験では、偽薬を用いて比較試験を行うケースもあります。人間は、思い込みにより、症状が改善する場合があるので、本来は有効でないものを使用しても良好なデータが一時的に現れるケースがあります。このために、偽薬との比較試験で明確な差が現れる事により、治療薬として承認される事になります。

偽薬の成分は、既に開発されている類似薬を使用する場合と外観と味だけを似せて作る場合とがあります。グループを二つに分けて、一方にだけ偽薬を使用させるのが比較試験の具体的な内容です。